25 July
2009

忘れ残りの記

会社に入って以来、ごまかしごまかし積み上げてきたものが一気にくずれたというかんじのここ1ヶ月。気づけば積み上げたものは私の器なんて遥かに越えている。それが一度に雪崩をおこして頭の上から降ってきても、自分以外の誰にも責任を押し付けることはできないし、自分以外に処理するひともいない。だから、自分で自分を追い込んで、どんどん負のスパイラルへと落ちていく。
社会人になって以来、精神的に一番ギリギリの状態、限りなく赤信号に近い黄信号の状態だったんだけど、今はなんとか小康状態。まだ、なにか軽い一撃でぼろぼろと崩れそうではあるけども。その一撃が来る可能性が去ったわけでもないしな。

まあ、仕事の面で、なにかを変えなきゃだめだよ、ということを神様が教えてくれてるんだと思う。仕事の進め方とか、スキルとか、考え方とか、その他いろいろなことを。落ち着いたら、ちゃんと整理して考え直してみなきゃ、とある程度ポジティブに考えている。

そんなわけで、最近行ったコンサートについて、詳しくメモを残すことができていないので、まとめて簡単な覚書だけ書いておく。

[6月29日:大阪フィルハーモニー交響楽団 第429回定期演奏会]

指揮は秋山和慶さん、ウォルトンでの合唱団は大フィル合唱団と九州フィル合唱団の混成で、バリトン・ソロは福島明也さん。
なんといっても、メインの「ベルシャザール」が素晴らしかった。秋山さんの指揮の方針は常に明確で、合唱とオーケストラからストレートに音楽のエネルギーを放出させる。バビロンの伝説を下敷きにした物語の内容は、日本人の我々にはちょっとわかりにくいのだけれど、そんなことは瑣末なことだと思わせるくらい、スコーンと突き抜けた音楽のヴィヴィッドなバイタリティが我々を包んだ。「20世紀最高のオラトリオ」と称されるのも納得。

[7月11日:ロシア・ナショナル管弦楽団]

指揮はミヒャエル・プレトニョフ。このオーケストラを生で聴くのは2度目。川久保さんのヴァイオリンを聴くのは3度目くらいかな?
冒頭の「雪娘」から、あまりに「『筋肉質』の娘」なので面白くて仕方ない。この楽団は、伝統的なロシアの響きを継承して打楽器と金管のバランスが突出しているが、その突出の仕方が全然泥臭くなく、鋭利でありながら洗練されたセンスを感じさせるのがすごいところ。他にはない個性的な楽団だ。
コンチェルトでは、冒頭からびっくりするくらいテンポが遅かった。川久保さんは、ひとつひとつの音符の意味を明らかにすべく、すべての音に異なる音色、異なるテンションを乗せていくような勢い。たしかにこのアプローチは、このテンポでないと成立しないかも。物思いにふけりながら感情豊かに語るが如く音楽は進み、非常に奥行きを感じさせる演奏だった。チャイコフスキーのコンチェルトで、名技の披露や甘いメロディーの洪水に留まらず、こういった等身大の人間としての「語り」が引き出せるのか、と感激した。

[7月16日:大阪シンフォニカー交響楽団 第137回定期演奏会]
指揮は、チェコ出身のウラディミール・ヴァーレック。以前に、プラハ放送響を指揮するのを聴いたことがある。
仕事が辛くて、このままでは息が詰まってしまう、と感じていたところに、好きなマルティヌーと、ドヴォルザークの第6番のプログラムを掲げるコンサートがあり、なんとかその日のうちに仕事がひと段落したので、当日券を求めて(※結局買わずに入れた。後述)、聴いてきた。
マルティヌーは、個性的なリズム感と、ほの暗いなかで妖しくきらめくような色彩感がいい。今日のプログラムのなかでは、二重協奏曲の第2楽章がまさに私の好みで、心に沁みた。
ドヴォルザークは、この曲らしい、屈託のないメロディーと、素直な音楽の進行が楽しかった。オーケストラは、もうちょっとガツンとしたエネルギーの爆発がほしいところもあったけれど、ヴァーレックさんの指揮のもと、シンフォニカーならではの、個々の奏者の積極性がかんじられたので聴いていて満足できた。


ちなみに、会社をぎりぎりの時間に飛び出してシンフォニーホールに駆け込み、大阪シンフォニカーのコンサートの当日券を求めようとしたとき、チケット売り場のまん前で、ひとりの上品な女性に突然声をかけられた。
女性「おひとりですか?」
私「あ、はい、そうですけど…」
女性「よかったら、これ、どうぞ」
彼女が私に渡してくれたものは、コンサートのA席招待券。
私「ええっ、いいんですか? …えーっと、いくらお支払いしたらよろしいでしょう」
そういいながらチケットの隅から隅まで見てみるが、値段が書かれていない。
女性「いや、結構です。貰い物なので…」
私「ええっっ! そんな! いいんですか! ありがとうございます!!」
何度もぺこぺこしているうちに、女性はひとりでホールに入っていかれましたとさ。
というわけで、私はタダでコンサートを聴けた。仕事でかなり落ち込んでいる時期だったので、なんだ、たまにはいいこともあるじゃないか、となんだか励まされた気分だった。あのときの方、本当にありがとうございました!
(ちなみに、招待券は、先着順に座席券に引き換えてもらうタイプだったので、その女性にホール内でお会いすることはなく、改めてお礼を言うことはできなかった)


Posted by horita at 15:01 | Comments (0) | Trackbacks (0)
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