東芝製Netbook(NB100)買いました
現在私の身の回りには5台ほどパソコンがあるのだが、その中で出張時などのモバイル用としてはSonyのVaio PCG-U3を愛用していた。おそらく、(比較的)まともなフルキーボードを備えたWindowsノートでは、史上最も小型のものだったのではないだろうか。B6相当(!)の大きさなので全くかさばらず、重宝する。4年ほど前に中古で手に入れたときは、7万程度だったか。充分値打ちのある買い物だったと思う。
しかし、最近ではさすがに速度の遅さが気になり始めていた。CPUは、今は亡きTransmeta社のCrusoe (1.0GHz)。メモリも最大512MBときているので、Windowsの起動完了にも結構待たされる。このあいだAdobe Premiere Elementsを入れようとしたら、CPUが古すぎて(具体的には、SSE命令がサポートされていないということで)インストール段階で拒否されてしまった。また、無線LANも内蔵されていないのでいちいちPCカードスロットに挿す必要があり、邪魔だし面倒だしで不満となっていた。
で、最近のNetbookブームだ。さすがにB5版くらい小さくて画面が1024x768の広さをもったものはないが、CPUの性能は格段に上がっている。無線も内蔵が常識。そして価格も安い、というわけで、「ボーナスが出たら、買い換えようか」と考えたわけだ。先月に出張先のホテルで、なかなか起動しないVaioの画面をみつめながら、ね。
しかし、EeePCは、どうも玩具のような外見が気に入らないし、SSDの容量が小さくてLinuxとWindowsのデュアルブートができない(どうせならLinux用に持っているThinkpad X31の置き換えも目指そうと思って)。でもHDD搭載のAspire Oneもデザインがしっくりこない。もうちょっと社会人が持っていても恥ずかしくないやつはないんかいな、と思っていたら、東芝からもNB100というNetbookが出た。これが、なんとも保守的なデザイン。当初は妙に強気な値付けで購買意欲が萎えたが、発売直後から東芝の品性を疑うような(失礼)乱暴な値下げがおこなわれ、他のNetbookと比較できるくらいに落ち着いた。
というわけで、東芝のNB100を購入。ヨドバシで、57800円、ポイント20%也。
[カスタマイズ]
- メモリを2GBに増設(UMAX Castor SoDDR2-2G-800)。スロットは1つしかないので、買った段階で入っている1GBのものを抜いて交換する形になる。すんなり認識。
- Ubuntu Linux 8.10 を入れた。手順は以下のとおりにすればいいかと思う。Netbookにおいては、Ubuntuを専用に拡張したUbuntu Netbook Remixがあり、これを使えばさまざまな設定の手間がはぶけるが、インストーラーが無理やりディスクを1つのパーティションにフォーマットしなおしてしまう(要するに、勝手にWindowsを消してしまう)など、Windowsとのデュアルブートを考えたつくりになっていないので、おとなしく標準のUbuntu Linuxを入れるのがいい。
- 念のため、NB100の説明書を読んでリカバリーCDを作成しておく(パーティション変更の失敗時などのため)。リカバリーCDを作成するツールはデフォルトではインストールされていないので、スタートメニューから「アプリケーションの再インストール」を選択して手動で入れなければならない。
- Ubuntu LinuxのCDを使って、CD起動のUbuntu Linuxを立ち上げる
- ターミナルを開いて、sudo fdisk /dev/sda で、/dev/sda3 以外のパーティションを削除し、新しく /dev/sda1(=Windows用の領域)、/dev/sda2(=Linux用の領域)、/dev/sda4(=Linux swap領域)を作成する。私は、sda1に80GB弱を割り当て、swap領域に4GB弱、sda2に残りを割り当てた。それぞれのPartition Typeの設定も忘れずに。sda1はHPFS/NTFS、/dev/sda2はLinux、/dev/sda4はLinux swap。
- デスクトップ上のアイコンをクリックして、/dev/sda2に対してUbuntu Linuxのインストールをおこなう。ただし、インストール条件の最終確認画面で「詳細設定」を選択し、grubブートローダーを/dev/sda2にインストールさせる。(デュアルブートをNT Loaderに管理させるため)
- Linuxインストールが終わってもすぐには落とさず、またターミナルを開いて/dev/sda2の先頭セクタをダンプしてSDカードに記録しておく ( dd count=1 if=/dev/sda2 of=sda2.dump の後、sda2.dump をSDにコピーする)
- PCの電源を落とす
- 「0」キーを押しながら電源を入れてリカバリーモードに入り、「パーティションのサイズを変更しないでリカバリー」をおこなう。(これで、/dev/sda1 にWindowsが復元される)
- 再起動するとWindowsが起動するので、先ほどSDカードに記録しておいた/dev/sda2のダンプ(sda2.dump)をCドライブの任意の場所にコピーする(私はCドライブの直下に置いた)。そして、マイコンピュータ->プロパティ->詳細設定->起動と回復「設定」->起動システム「編集」 を選んで、出てきたメモ帳の最後尾に「c:\sda2.dump="Ubuntu Linux"」という1行を追加する。”c:\sda2.dump”の部分は、自分がダンプデータを置いたパス名に読み替えてたもれ。
- 再起動したら、起動時に「Microsoft Windows XP Home Edition」と「Ubuntu Linux」の選択画面が現れるようになる。
[Linuxの設定]
いまのところ、Bluetooth以外は上手く動いている。無線LAN(AR5007EG)は以下の手順で動く。ただし、アクセスポイントでSSIDを非公開にしていると、接続に失敗することが多い。公開にすると上手く動く。数年前にThinkpad X31とAtheros 11a/b/g に対してMadwifiを試したときも同じようなことがあったので、伝統的に弱い部分なのかも。
- Linuxカーネルを2.6.27にupdateしてから再起動する( apt-get install linux-image-2.6.27-7-generic)
- backport driversをインストールする(apt-get install linux-backports-modules-intrepid-generic)
- ath_pciドライバ(意図しないドライバ)が勝手に適用されないように、/ect/modprobe.d/blacklistに設定しておく。(echo “blacklist ath_pci” | sudo tee -a /etc/modprobe.d/blacklist)
- 再起動するとath5k_pciが適用されて無線LANが使えるようになっているはず。(たとえば、ターミナルから iwlist ath0 scanと打つと、近くのネットワークが一覧で表示される)
記憶をたどりながら書いているので、細かい設定の抜けがあるかもしれない…。あと、Bluetoothはまったく動いていないわけではなく、Fn-F1キーで一度無線LANモジュールを落として、またONにしたらBluetoothモジュールが現れる。ドライバの問題なのかな?
[不満な点]
- キーボードの反応がかなり悪い。キーを押してから画面に文字が出るまで、妙なタイムラグを感じる上、キーの取りこぼしが結構ある。打鍵判定が、ストロークの非常に深いところにあるのではないかという感触がある。私は日頃職場でMajestouchを使っているので、余計に気になるのかもしれない。
- Windows起動直後の液晶の明るさを設定する方法がいまだに見つけられない。必ず、一番明るい状態で起動する。明るすぎるので、毎回ファンクションキーを連打して暗くしなければならない。
- Midiキーボードを簡易電子ピアノとして使うために、Cantabile Lite + sfz でVSTホストを立ち上げて(ちなみにSoundfontはPiano Steinway B Perfect 2.0というのが好み)、キーボードを叩いてみたところ、ちょっと使い物にならないくらいブチブチと音が切れた(音声はRoland UA-1EXをASIOで動作させている)。タスクマネージャでCPUの負荷を見てもまだまだ余裕があるので、チップセットが足を引っ張っているのかなぁ。数世代前のノートPCでちゃんと動作したんだけど…。いろいろ試した結果、同時発音数を12音くらいまで減らしたらなんとか使い物になった。
- できれば、USBマウスを挿したらタッチパッドが無効になるのは、BIOSレベルで設定できるようにしてほしかった。Windowsではドライバレベルで設定できるのでまあいいが、Linuxでは常時タッチパッドが有効なため、ブラインドタッチしていたら、不意にカーソルがあさっての方向に飛んでいくこと数知れず。
[良い点]
- 液晶きれい、スピーカーがなかなかいい、ファン有効/停止選択可能は秀逸、各ポートの位置がよく考えられている、同スペックの他社Netbookよりも本体幅が2cmほどコンパクト(=液晶のベゼルが小さい) etc.
半月ほど使ってみての感想は、「まあ、こんなものか」というかんじ。画面の小ささも、CPUの貧弱さ(もちろんCrusoeよりはおおいにマシだけど)も、このパソコンを一般的なノートPCの代用とするには力不足を否めない。まさに、ノートPCと競合しない「ギリギリのライン」を絶妙に突いているな、と感じる。
あと、NB100は、完全に「貧乏人のための安パソコン」ではなく、「マニアのための玩具」として設計されているので、「お金がないのでNetbookを買おう」と思っている初級者は手を出すべきではないと思う。バンドルされたソフトのいくつかがデフォルトではインストールされていないのが嬉しいのは上級者だけだろう。リカバリーにいろいろなモードがあり、復元のやりかたを選択できるのは非常にいいが、初心者にはそれぞれのモードの意味がわからないだろうから、いざというときに困るだろう。
それにしても、お役ご免となるPCG-U3の買取上限金額を見て、やや愕然とした。中古で買ったときのさらに1/10かいな。Netbookが出てきて、確実に暴落したなぁ。まあ、仕方ないか…。




