15 April
2007

日間賀島(上)

砂浜に沿った遊歩道をあるく猫に、関西弁で「よぅ!」と声をかけたら、ビクッと驚いて逃げられた、そんな日間賀島の夕べ。
中部地方の猫にとっても、関西のにいちゃんは怖いのかしらん。ちなみに、島が小さいせいか、たった2日の滞在の間にこの猫には3回もお会いした。あとの2回は、少し離れていたので挨拶はできなかったのだけれど。

 

大学の頃の仲間8人と一緒に、愛知県の日間賀島に遊びに行ってきた。名古屋駅から名鉄に乗って知多半島の先のほうまで行き、そこから高速艇に揺られて約20分。島に着いたのは、3時過ぎだったか。
(※ MEMO-1 一日目昼食:名鉄百貨店の「矢場とん」で味噌カツ)

 

港につくと民宿のお迎えが来ていた。しかし意外なことに車が小さく、全員は乗れないという。
「ピストン輸送しますよ。それとも、歩きますか? 10分くらいですけど」
事前に調べて、島の外周を一周しても6kmほどしかないところだと知っていたので、「では歩きます」と荷物だけ車に預けて、数名でだらだらと歩いていった。たくさんの漁船が並ぶ漁港を通り抜け、なだらかな坂を上ってゆくうちに、木々の間から海が一望できる小高い場所に出た。風が強いせいでいたるところに白い波頭が起きては消えてゆく様子を、「しかし静かだなぁ」と思いながら眺めていた。天気予報は雨だったのに、日差しは暑いくらいだ。

 

民宿は、その坂道が下り坂になりはじめたあたりにひっそりと建つ、民家風の建物だった。他の旅館とはちょっと離れていて、その宿の言うところでは「日間賀島でいちばん小さい宿」。

徒歩組の私たちがガラガラと引き戸を開けて中に入っても宿の人は現れず、二階からの階段を降りてきて「まあ、おあがりくださいな」と言ってきたのは、車に乗って一足先に着いていたSだった。はいはい、とSの後について二階にあがってみると、客室は和室が4つ。うち3つが我々にあてがわれている。なるほど、確かに小さな宿だ。しかし、細かいところまで丁寧に調度された、明るく、きれいで気持ちのよい民宿だった。Fはどうやってこんないい場所を見つけたんだろうか。

 

お茶を一杯だけ飲んで、私とえもはさっそく散策に。近くにしらす干しの加工工場を見学できるところがあると宿に置いてあった案内でみた北の方向に歩いていったのだけれど、 シーズンがあるのか、それらしい場所をみつけられないままにそのあたりをうろうろ。ないのなかぁ、と言いながら観光案内板を眺めていると、我々の後から宿を出た他のメンバーと遭遇した。結局、島に唯一のコンビニを見に行く、という彼らになんとなくそのまま付いて行き、島を南下していった。

島は想像していた以上に小さい。あっという間に南岸に到達し、風でサラサラと風紋を泳がせる砂浜が目の前に広がった。こんな風景みるの久しぶりだなぁ。そういえば、前に海を見たのがいつどこでだったかも思い出せないや。

 

砂浜の入り口あたりで私とえも、ハタノ、源氏の君が写真を撮ったり、強い海風にうたれながらあれこれ喋ったりしていたら、FやNといった他の人たちはさっさと歩いてもう見えなくなってしまっていた。このへんの微妙な非干渉具合が、案外我々が“仲良く”いつまでも旅行できる秘訣、といえるのかもしれないね。その後も、荒れ気味の海と遊びながら我々四人はダラダラと沿岸を歩いたり、「もう少し風が弱ければ釣りでもしたいところだね」といいつつ突堤の先まで行って頭から潮の飛沫をたっぷり浴びたりしつつ、なんだかぐったりするくらい疲れて宿に帰った。なにもなかったといえば、まあなにもなかったのだけれど、むしろそれが心を落ち着かせてくれて、気持ちがよかった。 

ちなみに、宿の戸をくぐったときにふと気づくと、いつの間にかハタノと源氏の君もいなくなっていた。後から聞いたところによると、彼らは民宿の飼い犬に会いにゆき、遊んでもらっていたらしい。ついていけばよかった。

 

それからしばらくして、宿の一階の広間で夕食をいただいた。目の前に並んだ料理は、まさに「豪勢」のひとこと。食後、「もう終わりかと思ったところから、さらに3品は来たな」といった誰だったかの言葉に、全員相槌をうったほどだ。しかも、とっても美味しいかった。名物らしい蛸の丸茹も、細かく切ってあたたかいご飯に混ぜ、上から醤油をすこし垂らして食べたら、満腹の腹にもどんどん入っていった。あんなにたくさんあったのに、9人全員が平らげていた。すごい。

(※ MEMO-2 一日目夕食:蛸料理の突き出し、蝦蛄の塩茹、渡り蟹の丸茹、蛸の丸茹、伊勢海老のお造り、烏賊の刺身、赤貝のお造り、平目ののお造り、もずく、河豚の皮入り茶碗蒸し、海老の踊り食い、浅利の酒蒸、焼き魚(種類は失念)、鰈の煮付け、サザエのつぼ焼き、海老フライ、白ご飯、苺、ビール)

 

 腹をいっぱいにした後は、恒例の「旅のしおり」の読み合わせから、ずるずるうだうだと締りのない会話になだれ込んでいくいつものパターン。ただ今回の旅行では、事前のえもの呼びかけもありNintendo DSが6台も集まっていたので、私の持っていた「だれでもアソビ大全」でボーリングやダーツなど超シンプルなゲームをゲラゲラ笑いながら通信対戦する、という新趣向も。まあ、実際のところは、ゲラゲラ笑っていたのはゲームと同時進行でやりとりしていたお絵かきチャットのせいで、酒の力も借りた三十路前後の男女が集まって交わす画題はエログロ満載。しかも何人かには画才の神様が降りていた。…にしても、何時間も飽きもせずにそんなことを続けていた我々は人間としていかがなものか、と冷静になった今では思わんでもない。

 

就寝は二時過ぎ。布団を並べていたのは、えもと湯Y。私が布団をかぶって十分ほど後、湯Yの方から持続的な重低音が響きはじめた。やれやれ、と思いながら、私は布団の近くに置いてあった自分の鞄へと手を伸ばし、ポケットから耳栓を探り出した。別にこの事態を事前に予測して用意してきたわけではなく、電車で酔客の戯言をシャットアウトしたり、職場で集中して仕事をしたりするために常に持ち歩いているのだ。グリグリッと耳に押し込んで、はい、皆様、おやすみなさい。

(次のエントリに続く)
 


Posted by horita at 22:00 | Comments (1)
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Comments
Re: 日間賀島(上)

塩焼きはセイゴだったかと。

Posted by: かな at April 19,2007 12:21
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